瑞江・篠崎の患者様必見!手首の痛みは早急に!〜腱鞘炎について〜
2025年05月17日
こんにちは。瑞江駅前はりきゅう整骨院の宮坂です。
今週は、「手首の痛み」について取り上げたいと思います。
特に「腱鞘炎(けんしょうえん)」の中でも代表的な「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」に焦点を当てて、痛みが発生する原因をご紹介します。
◆ ドケルバン病とは?
ドケルバン病は、手首の親指側に起こる腱鞘炎の一種で、特に短母指伸筋腱と長母指外転筋腱という2つの腱が通る腱鞘(けんしょう)というトンネル状の組織に炎症が起こることを言います。
腱鞘は、腱がスムーズに動くための滑走路のような構造です。腱が筋肉から骨へと力を伝える「ワイヤー」だとすれば、腱鞘はそれを包み込む「トンネル」のような役割を果たしています。ドケルバン病では、この腱鞘が炎症により狭くなり、腱の動きが妨げられ、痛みや腫れ、動かしにくさが生じます。
◆ なぜドケルバン病が起こるのか?~主な原因~
1. 繰り返しの動作による負荷
最も多い原因は、手首や親指を酷使する繰り返しの動作です。例えば以下のような動作が該当します:
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スマホの長時間使用(特に親指での操作)
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赤ちゃんの抱っこや授乳
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料理や掃除などの家事
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パソコン作業やマウス操作
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楽器の演奏やスポーツ(テニス、ゴルフなど)
これらの動作では親指の伸展や外転の筋肉を何度も使うため、腱と腱鞘の摩擦が繰り返され、痛みの原因となります。
2. 出産・育児によるホルモンバランスの変化
特に産後の女性に多いのが特徴で、エストロゲンなどの女性ホルモンの変化が関係していると考えられています。出産後、関節や腱が緩みやすくなる一方で、抱っこなどで手首への負荷は増えるため、リスクが高くなります。
3. 加齢・更年期
腱や腱鞘は加齢とともに弾力性が低下し、柔軟性を失っていきます。そのため、ちょっとした刺激や負荷でも炎症が起きやすくなります。更年期におけるホルモンの減少も、組織の回復力の低下に関与します。
4. 構造的な問題
手首の骨格や筋肉のバランス、姿勢の悪さなども影響します。例えば、猫背の姿勢や巻き肩により、前腕の筋肉が過緊張を起こし、手首への負担が増すことで発症しやすくなります。
◆ 生理学的・解剖学的にみるドケルバン病の発生メカニズム
腱と腱鞘は、正常な状態であれば滑液(かつえき)という潤滑液によって摩擦が抑えられ、スムーズに動くようになっています。しかし、腱の動きが過度になると滑液の産生が追いつかなくなり、腱と腱鞘の間に摩擦が生じます。
この摩擦が繰り返されると、腱鞘に微細な損傷が蓄積し、炎症反応が起こります。炎症によって血管の透過性が高まり、浮腫(むくみ)や血管拡張が生じ、腱鞘が肥厚してしまいます。結果として腱の通り道が狭くなり、腱の滑走が阻害されて「痛み」「ひっかかり感」「腫れ」などの状態が出現します。
また、短母指伸筋腱や長母指外転筋腱は橈骨茎状突起という手首の骨のすぐ上を通過するため、構造上も摩擦が起きやすい部位です。このため、少しの痛みが出やすく、慢性化もしやすいのが特徴です。
◆ 状態の現れ方
ドケルバン病の主な状態は以下の通りです。
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親指側の手首にズキズキした痛み
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物を握ったり持ち上げたりするときに痛む
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親指を動かすと手首が引っかかるような感じがする
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手首の親指側に軽い腫れや圧痛がある
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フィンケルシュタインテスト(親指を握った状態で手首を小指側に曲げると激痛が走る)
◆ 整骨院での対応と予防方法
当院では、ドケルバン病に対して以下のような施術を行います:
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前腕~母指周囲の筋緊張緩和(手技療法、ストレッチ)
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超音波療法やハイボルトの電気施術など
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テーピングやサポーターによる局所の安静確保
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姿勢や使い方の指導
◆ まとめ:手首の痛みを放置しないで
手首の痛みは、初期の段階では軽視されがちですが、放っておくと状態が慢性化したり、他の部位(肘や肩)にまで影響が及ぶことがあります。特に、ドケルバン病は日常生活動作の中で頻繁に使う部位に発症するため、早期の対応がとても重要です。
手首の痛みや違和感を感じたら、我慢せず、ぜひ整骨院で早めにチェックを受けてください。当院では、専門的な視点から原因をしっかりと見極め、お一人お一人に合った施術プランをご提案いたします。
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